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Kawai Project Vol.1 『から騒ぎ』

公演日程:2014年4月27日~29日 (5回公演)

会場:東京大学駒場キャンパスKOMCEE MMホール

 『から騒ぎ』公演は、ヒロインのビアトリスに荘田由紀(文学座)、その従妹ヒアローに山﨑薫(ワタナベエンターテイメント)、その父親レオナートに早稲田小劇場出身の小田豊(岡村本舗)らを迎え、総勢19名のキャストで上演した。

 舞台と客席という区分けをやめ、観客が360度ぐるりと俳優に取り囲まれ、俳優が客席のなかに混ざりこむような形での上演を行い、好評を得た。特に演劇評論家の高野しのぶは「しのぶの演劇レビュー」において、2014年の上演作品のベスト3のひとつとして取り上げた。そのほか、ネット上でも以下のような書き込みが見られる。

チラシ表
チラシ裏
プログラム

河合祥一郎演出『から騒ぎ』は、日本のシェイクスピア上演史に残るものだろう。凝った演出もセットも排し、若い役者たちのスピーディーな演技と台詞回しだけで、最高に面白いシェイクスピア劇を作り上げてしまった。シンプル・イズ・ベスト。余計なものをそぎ落とし、全てを精緻にチューンアップするだけで、シェイクスピア劇はこんなにも面白くなるものなのか。 

http://open.mixi.jp/user/330483/diary/1937249892

 

 

観客席に四方が囲まれた中央部分が中心となる演技場となる。……俳優の存在感と劇作上の仕掛けを浮き上がらせる優れた演出だった。俳優の身体が観客にさらされ、俳優が言葉を響かせることで、演劇空間が成立し、観客はコントロールされてしまう。劇作上の仕掛けもわかりやすく提示されており、演劇的な嘘を効果的に使った数々の工夫に改めて感心した。俳優はみな達者だった。……こうしたスタイルの公演は、出口典雄のシェイクスピア・シアターの発想と近いところがある。しかしキャストが充実している分、今回の河合演出のほうが印象は強い。このスタイルの公演を重ねていくと、さらに手法として洗練されていくはずだ。次は二年後という話だが、できれば毎年一回ぐらい、河合先生演出、プロデュースのシェイクスピア公演を見てみたい気がする

http://otium.hateblo.jp/entry/2014/04/29/000000_1

 

 

河合氏の演出は、ビアトリスとベネディックの遣り取りと感情表現を丁寧に細かく造形しているので、ごく近くで接する観客には効果的だ。……実に面白い。特に娘たちのはしゃぎぶりは、見ていてとても楽しく、演出も巧みだと思う。……河合氏の演出は、笑えない非喜劇的な要素もうまく取り込んで、全体を喜劇にもってゆく巧みな演出だったと思う。

 

http://d.hatena.ne.jp/charis/20140428

 

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